「ミシンが欲しい」、「ミシンに興味がある」と思われた方は、多分、当面ミシンを使ってやりたいこと、作りたいものを頭に思い描かれていると思います。 ちょっとした小物作りや、お子様の入学準備などから、キルトや本格的な服作りまで、最初の目的は様々だと思われます。 ミシンには機能面、価格面で差があるため、使用目的を考えて選ぶことが大切です。
現在、家庭用ミシンは、街中のミシン販売店をはじめ、百貨店、スーパー、家電店、手芸店、通信販売、インターネット販売、訪問販売等、様々な販売ルートで売られています。また、機種についても国内・海外のメーカーが数機種〜数十機種を販売しており、多岐に亘っています。自分の目的と予算にあったミシンを選ぶことが大切です。
ミシンは縫う材料を送りながら、針と糸で縫っていくものですから、ほとんどのミシンは、材質、厚さ、伸縮度合い、滑りやすさや大きさなど、どのような生地を縫うかを想定しながら設計されています
生地の厚さは、ミシンの針の貫通力と送りのパワーに関係しています。 当然厚いものを縫う場合はパワーのある(モーターのパワー、針の上下運動を支える機構の強度など)ミシンが必要です。 生地自体が厚い場合のほか、裾処理で生地を折り曲げた場合、2回折れば4重に、それを重ねて縫い合わせる場合は8重になります。 生地の厚さへの対応力は、ミシンメーカー各社で各機種に関するデータを積極的に提供していますが、出来れば、お客様ご自身が入念に確かめてから購入したい重要なポイントです。
皮やビニールなど特殊な素材は、上記の厚さ以外に、「ミシンがちゃんとその素材を送ってくれるか」、「滑ってしまわないか」という送りの問題に関係します。 機種によっては、このような素材を使うことを想定して送りの機構を工夫したり、専用の押さえやアタッチメントを発売しているものもありますから、よく情報を集めましょう。
カーテンなどの大きな生地を縫製する場合、小さなミシンを使うのは使い勝手は良くありません。 ミシンの針の下の空間、アームとの距離、テーブルの大きさ、補助テーブルの有無など、作る生地に合わせてミシンの大きさを選ぶと良いでしょう。
最近、ミシンメーカー各社から発売されているミシンには、上糸と下糸の調子を自動で合わせてくれる「自動糸調子機能」、「自動糸切り機能」など、便利な機能が付いているものが多くなっています。初心者であれば、面倒な調整は機械がやってくれる方が良いと言えるでしょうし、使用頻度が高ければ、このような機能はとても便利です。
形や色やデザインについては、お客様の好みで選びましょう。ただし、とても小さく軽いミシンで、大きな作品を作るのはちょっと苦労します。ミシンは収納時の大きさだけでなく、使っているときの安定感も快適に使うためには大切なポイントです。
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縫う前の「下糸巻き」、「下糸のセット」などの準備が簡単なものがよいか
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「直線縫い」以外に、「飾り縫い」がどの程度必要か
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「ボタンホール縫い」機能がついているものが必要か
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「糸切り」機能がついているものが必要か(「4.経験、使用頻度とスキルレベル」参照)
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「自動糸調子」機能がついているものが必要か(「4.経験、使用頻度とスキルレベル」参照)
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「糸通し」機能がついているものが必要か
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縫いの精度(「直線縫い」や「模様縫い」をしたときの縫い目の綺麗さ)がその程度必要か
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フリーモーションやキルト直線など、キルト製作に使えるものがよいか
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ワイドテーブルは必要か(「3.縫製範囲と材質を考えて選ぶ」参照)
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フットコントローラーは必要か
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簡単な刺しゅう模様ができるものが必要か
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本格的な刺しゅう模様ができるものが必要か
ミシンは定期的なお手入れが必要です。購入にあたっては、保証期間、修理やサポート体制などをチェックしてから購入しましょう。
◎動力別分類
分 類 |
概 要 |
特 徴 |
コンピュータ |
マイクロコンピュータを内蔵して いるミシンです。そのため、針の 動きや縫い目の長さを制御する ミシンです。 |
●ボタンを押すだけで文字、複雑な模様、刺しゅう縫い等が
できます。 |
電子ミシン |
電子回路により、自分のペースに 合わせたスピード調整や、針の 上下停止位置をワンタッチで コントロールできるミシンです。 |
●ダイヤル等を回して縫い模様の切替をします。 |
電動ミシン |
針の上下の動きを内蔵モータに よって行うミシンです。 |
●高速にしないと力が出ないので厚い生地は苦手です。 |
◎用途別分類
分 類 |
概 要 |
家庭用ミシン |
家庭で使われるミシン |
ロックミシン |
縁かがり用のミシン |
刺しゅう専用ミシン |
職業用の刺しゅうミシン |
工業用ミシン |
工場などで使われるミシン |